NHKクローズアップ現代”息子介護の希望を探して~50代ディレクターの介護記録~”
この番組では、娘や嫁による介護ではなく実の息子による介護 その名も”息子介護”について特集されていました。
(そもそも、これまで年老いた両親の主介護者が女手に頼りきりであった実情というのが変だなとも思ったのですがそれは置いておいて、、、)
この介護記録の主人公の50代男性(独身)は、母親と二人暮らしをしていたのですが、とあることが起こり介護が必要となりました。
看護師のアナムネ風にまとめるとこんな感じ↓
母と息子の二人暮らしであったが、息子不在中に転倒。その際頭部を打撲あり。ストーブの前に倒れたことによって下腿熱傷。
下腿の傷を洗おうとしてなんとか風呂場までたどり着くが、その後体動困難となる。
その後息子が帰宅し、風呂場で全裸で震えているところを発見される。
入院後介護認定をうけ、要介護1取得。しかし、その後どんどん体力低下し入院から8か月後には要介護5を取得するまでとなる。
体力低下の原因は、入れ歯の不具合から食事摂取量の低下と考えられる。
現在は息子との二人暮らしに戻り、デイサービス・訪問介護・管理栄養士の訪問指導・訪問医療等の専門家によるサービスを得て、在宅介護を受けている。
久しくアナムネなんてとっていないから、全然かけない( ノД`)ショック
この方のケースから、在宅介護におけるチームプレーの重要さが見て取れますよね。要介護5を取得しているからこそこんなにフルコースでケアを受けられているのかもしれませんが、主介護者が働きに出ている状況ではこのくらいの手厚さがないと在宅介護は難しいんだと思います。
もう少し要介護度が低ければ、日中ある程度の時間をお一人で問題なく過ごすことが出来るでしょうし、フルコースのケアを付ける必要はありませんもんね。
病院に勤めていると、入院中の患者さんの介護保険申請から介護認定調査、判定までを流れで見ることができます。
介護度の決定には疑問に感じる判定が出ることもありました。
介護調査員の方みなさんが長い経験を積んでいるわけでもなく、高い観察力を持っているわけでもないので、正確にその方の状況を判断できていないこともあるのです。
そうなると【状態と介護度が合っていない】等の問題が生まれるケースもあり、それがジレンマでもありました。
実際の所、少しでも高い介護度を得るために介護調査の際に患者さんに演技をさせる家族も少なくありませんし、逆に認知症があるため調査の際だけ思わぬADLを発揮する患者さんもいらっしゃるから、認定調査委員って楽じゃないなと思います。
息子による虐待
統計によると、他の介護者と比べ、息子さんによる虐待の数が多いそうです。
番組後半では、認知症の母親を介護する息子さんの映像も流れましたが、その息子さんが虐待をしないために『あえて他人の感覚で接する。』ようにしていると言っていました。
確かに他人として、看護師や介護士のように仕事として接することで気持ち的に余裕ができるなんてこともあるのかもしれませんね。
他人だから丁寧にできる。他人だから優しくなれる。仕事だから頑張れる。
働いていた時、この気持ちはいつも頭のどこかにありましたもん。
一瞬たりとも目が離せない認知症患者さんを看ていた時は「あと○時間で解放される~」なんて勤務終了時間を待ちわびたこともあります。
でも在宅介護となると、時間制で開放されるなんてことはないでしょうし、それはそれは大変だろうなと思います。
優しくできない日、絶対あるだろうなと思います。
いつか私が自分の親を介護する日、または義両親を介護する日も来る。
考えただけで怖いです。嫌とか、やりたくないとか、そういうことじゃなくただただ怖い。不安です。
この番組の中でもう一つとても印象的な言葉がありました。それは、、、
『認知症の人と戦っちゃダメ、遊ばないと!』
この考え方ってすごく良いな♩私もそう思うことある!と思いました。
認知症患者さんで遊ぶという悪い捉え方をされることもあるかと思いますが、そういう意味じゃなくて。
人を思い通りにしようとするのではなく、楽しむ感覚で接することの大切さってあると思います。
いざ自分が家族の介護をすることになった時こんなに楽観的に考えられるか分かりませんが、仕事をする上でも忘れたくない考え方だなと思いました。
介護が必要になるまでって、階段を転げ落ちるくらいあっという間。仕事をしながら在宅で看る事の難しさ。そんな事を改めて考えさせてくれる番組でした。