こんにちは、しなぴーです★
前回は聴診器の選び方について書きました。
前回の記事の最後の方で「実は聴診が苦手で下手だった」という告白をしました。
今回はそんなダメナース私がどうやって苦手克服を目指したかについてお話ししたいと思います。
聴診が苦手な看護師だった私
私が苦手だったのは、呼吸音や肺雑音の聞き分けや心音の聴取です。
「息をしているかどうか」については誰でも聴けばわかることですが、看護師に必要な聴診はそんなにシンプルではありません。
看護に求められる聴診技術とは
看護師が行う聴診では、単に音を聞くだけでなくその音が正常か異常かを判断することが求められます。
胸部の聴診であれば、
胸部聴診に求められることの一例
- 気管支の狭窄はないか?
- 肺へのエア入りはどうか?
- 肺胞での異常音がないか?
- 心音に異常はないか?
- あるとすればそれはどんな性質・性状の異常音か?
- それらの音から何が起きていると予測されるか?
などなど、本当に沢山のことを聞き分けて判断しなければなりません。
人それぞれの音
痩せている方・ふくよかな方・姿勢に変形が見られる方・持病のある方。色んな体格や構造を持つ方がいらっしゃいますので、そういった点でも聴診の技術はとても奥深いものだと思います。
ピアノのように誰もが同じ音階で音を発してくれているなら覚えやすくもあるのでしょうが、人の体ではそうもいきません。
なので聴診の技術には本当に悩まされました。
これだけ書いているだけでドっと疲れてきましたが、これに加えて腹部聴診もありますので本当に大変(*_*;
聴診は基本中の基本!
聴診の技術って看護師が行う観察の基本中の基本です。

聴診で得られる情報は、日々の身体状態アセスメントの要だと思うので「それが苦手な私は看護師としてダメだ」とよく落ち込んだものです。
どうやって聴診を克服した?
結論から言うと、完全に克服は出来ておりませんし、今でも聴診に自信はありません。
しかし、苦手苦手と言って何も出来なかった頃の自分よりは確実に上達したと思います。
具体的な方法は3つ
正常音と異常音を聴き込む
看護雑誌の付録として付いてきた呼吸音のCDや、YouTubeで色んな音を聴き比べました。
音って口で説明されたり本で読んだだけでは理解できませんよね。
CDならば職場を離れても聴くことが出来ますし、今はYouTubeがあるからイヤホンをすれば場所を選ばず聴く練習が出来て便利ですよね♩
実際に聴診をしまくる
部屋持ちをしていれば聴診をする機会は毎日幾度となくあります。
その毎日の観察をしっかり時間をかけて行うことでリアルな音を聴きこむことができますよね。
患者さんを実験台にするという意味ではなく、その患者さんの正常を把握するという意味でしっかりと聴診させていただくという意識を持つことが大切だと思います。
何に関しても言えることですが、正常を知って初めて違い(異常)に気づけるものですからね(^^)
聴診をする機会があまりないという場合は、自分の体や家族の体で練習することをお勧めします。
ちょっと風邪っぽいなと思った時や、日々のお腹の音なんかを聴き込んでみると体が発するリアルな音に聴き慣れることが出来ます。
先輩の耳を借りる
1人で観察をしていて「なんかちょっと変かも?」と思ったけど自信が持てない。
そんな時は、勇気を振り絞って先輩の耳を借りていました。
それまで聞いたことのないような音がしている場合は判断が難しいものです。そんな時も先輩の力を借りていました。
力を貸してくれる先輩がいる環境であることが大前提ですが、学ぼうという姿勢が見える後輩を無下にする先輩はあんまりいないかと思います。
私の実体験
ある日、重症腸閉塞の患者さんが入院してきました。
腸閉塞と言えば金属音ですが、全ての腸閉塞患者さんの腹部から金属音が聞こえるとは限らず、その頃の私はまだ金属音というものを実際に聴いたことはありませんでした。
いざその患者さんのお腹に聴診器を当てるとカランカランカランという聞き覚えのない音が聴取できました。
「こんな音聴いたことない!これってもしかして!」
そう思い、先輩に聴診を依頼したところ、
『これが金属音だよ』
と教えてもらうことが出来ました。
私がイメージしていた金属音は”鉄パイプで鉄をたたくようなカンカンカン!と言った音”だったのですが、その時実際に聴いた金属音は鉄パイプの中を小石が転がっているような甲高いカランカランカランという音でした。
この経験で私は
イメージはイメージでしかない。
実際に自分の耳で聴くことってとても大事だ。
と感じました。
おわりに
看護師として色んな病棟で12年?13年?ほど働いた私ですが、まだまだ見たことのない症例や聞いたことのない音ばかりです。
今は現場を離れていますが、いつか職場復帰し初めての音を耳にする日が怖いような楽しみなような。
そんな気持ちです( *´艸`)
聴診器の選び方について書いた記事はこちら。
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本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。